消防士の教科書

これから消防士を目指す人たちの教科書になるようなことを書いていきます。

安全管理について考える

明けましておめでとうございます。

 

leoです。

 

今年もこのブログ共々よろしくお願いします(^^)

 

そしていよいよ火災シーズンが到来しましたね。

 

みなさん、しっかり気を引き締めていきましょうね!

 

あと出初式頑張りましょう!笑

 

さて、新年一発目は“安全管理”について書いていきます。

 

みなさんは安全管理について、どんな風に考えているでしょうか?

 

 

【目次】

 

 

 

【安全管理とは?】

 

さっそくgoogle先生にお尋ねしてみましょう!

 

安全管理とは

企業内の安全を維持し、災害を未然に防止するための活動のこと。

単に作業能率や企業の損失防止の観点のみだけでなく、人道的な観点からも重要。

安全管理は、労働基準法労働安全衛生法などによって規制されていて、安全管理者を配置するなどし、積極的な安全管理に取り組むよう指導されている。

 

改めて見ると、僕たちが普段「安全管理」と言っているのが軽々しく感じますね…( ̄д ̄;)

 

ちなみにここで出てくる法律、みなさん読んだことありますか?

 

ぶっちゃけ消防士にはあまり関係ないかもですが…

 

せっかくなので調べてみましょう!

 

労働基準法

労働条件の最低基準(8時間労働や週休制など)を定めた、労働者のための保護法。

みんな“労基法”って言う。

 

労働安全衛生法

労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進することを目的に制定された法律。

主に労働災害の防止について書かれている。

 

ということで、より詳しく知りたい人は調べてみてください。笑

 

たった一言“安全管理”と言っても、

 

ちゃんと法律で定められ、それに基づき行われているもの

 

なんですね。

 

でもこれ、実は僕たち消防士にはちょっと合っていません。

 

どちらかというと、工場などで働く人向けかな?といったものです。

 

では、僕たち消防士の“安全管理”とは一体どんなものか。

 

考えてみましょう!

 

 

 

【消防士の安全管理】

 

僕たち消防士の仕事は、皆さんも知っての通りです。

 

火災、救急、救助、自然災害…

 

本当に多種多様な災害現場に出動し、そこで活動します。

 

火災現場のような危険と隣り合わせの現場や、

 

交通事故現場のように、普通はありえないような場所での活動、

 

はたまた台風や大雨など、みんなが避難するような状況での現場活動など

 

安全管理とは程遠い環境での活動をしなければなりません。

 

それでもって極めつけは、いずれも緊急性が高く迅速な対応を求められるということ。

 

こんな状況下で、僕たち消防士に安全管理を求めるのであれば、現場活動なんてやってられませんよね( ´Д`)y━・

 

…ので、僕たち消防士の安全管理は、上記の法律とはちょっとニュアンスが違うかな?と思います。

 

参考として、総務省消防庁のリンクを貼っておきます。ちょっと覗いてみてください(^^)

http://www.fdma.go.jp/html/new/pdf/161129_kentou/1-1.pdf

 

書いてあること、ズバリだと思います。

 

安全管理の考えからかけ離れた環境だからこそ、

 

安全管理に対する意識を高め、的確な判断力を身につけなければなりません。

 

言葉では簡単ですが、いざやるとなると難しいことだと思います。

 

消防庁から“安全管理マニュアル”が出ているので、こちらも参考にしてください!

(参考)http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/anzenkanri/pdf/manual.pdf

 

ではでは、

 

その安全管理に対する意識を高めるため、具体的にどんなことをしているでしょうか?

 

ちょっと考えてみましょう(^^)

 

 

 

【安全管理の訓練方法】

 

安全管理の訓練方法と聞かれてすぐに思いつくのは、

 

KYTかと思います。

 

いかにもそれっぽい響きですが、

 

“危険予知トレーニング”

 

のアルファベット頭文字を取っただけでございます。笑

 

そしてその名の通り、事故や災害を未然に防ぐことを目的に行う訓練のことです。

 

どうでしょうか、皆さんの所属ではやっていますか?

 

僕の所属では、たまーーーーーーにやります。

 

他の所属で事故が起きた時や、若手教育の一環としてKYTをやったりしています。

 

あと有名なのは

 

ヒヤリハット

 

でしょうか。

 

これもその名の通り

 

「ヒヤリとした!」「ハッとした!」ことを事故事例集として集めたものです。

 

…なんて安易な名前を付けるんだ(・Д・)!!

 

とまぁさておき、まだまだ他にもいろいろあるかと思いますが、

 

このように安全管理に対する教育、訓練の手法は確立されています。

 

その上で、僕たち消防士も安全管理を考慮して活動するわけです。

 

むしろ

 

安全管理なしでは僕たちの活動はできないですよね。

 

それこそ、下手したら死んでしまうような現場ですから。

 

普段はあまりやらない“安全管理の訓練”ですが、

 

これから忙しくなる季節柄、改めて勉強してみてはどうでしょうか(^^)?

 

…ということで、ここまで安全管理について、皆さんが知っているようなことを書いてきました。

 

安全管理とは何か、どんな訓練方法があるか、

 

なんとなくわかったかと思います。

 

それではその“安全管理”、ちょっと視点を変えて考えてみませんか?

 

 

 

 

【視点を変えて考えてみる】

 

僕たち消防士は、安全とは程遠い現場で活動しています。

 

その為、日頃の訓練の中でも、安全管理については耳にタコができるくらい言われているかと思います。

 

現場であれば尚更です。

 

「安全が確認できるまでは入るな!」

 

きっと建物火災の時に聞いたことがあるはずです。

 

僕も何度も聞きました。

 

隊長であれば、部下である隊員たちを守ることは絶対です。

 

隊員同士でも、お互いの身を守ることは基本中の基本です。

 

この考えは、今も昔も、そしてこれからも変わらないものかなぁと思います。

 

というか、変わらないで欲しいです。

 

が!

 

ここでちょっと視点を変えます。

 

僕がいつか自衛隊にいる奴から、こんなことを言われました。

 

「俺ら自衛隊からしたら、消防は安全!安全!でやってるけど、安全ばっか優先して人助けられるの?って思っちゃうよね。

自衛隊は自分の安全管理は二の次で、一番の優先事項は人命救助!って感じだからなぁ。

まぁだからケガする人も多いけどね!」

 

一緒に飲んで熱い話をしてる時に、ふと言われた一言です。

 

結構グッサリきませんか?笑

 

決してディスってる訳ではなく、ただ本当に疑問として思っていることを言ってくれました。

 

この一件がキッカケで、僕も消防の“安全管理”について考えるようになりましたねぇ。

 

みなさんはどう思いますか?

 

僕たちの活動の基本である安全管理が、人命救助の足かせになっているような思いを感じたことはありませんか?

 

きっと一度は思ったことがあるのではないかと思います。

 

また、こんなにも安全管理と言われているのにも関わらず、

 

ケガや事故が絶えないのはなぜでしょうか?

 

きっといろいろな原因はあると思いますが、

 

もっと根本的なことを考えてみませんか?

 

 

 

 

【“安全管理”を理解すべし!】

 

ここからは持論を展開するので、あくまでもこんな考えがあるんだなぁと思う程度に見てください(^^;

 

さて、冒頭で安全管理の言葉の意味を調べてみましたが、

 

もっと根本的に、そもそも安全とはどういうことなのかをGoogle先生に聞いてみたいと思います。

 

安全とは

危なくないこと。

 

以上、気持ちいいくらい明瞭簡潔!笑

 

まさにそのとおりな訳ですが

 

この“危なくないこと”を、ちゃんと理解しているでしょうか?

 

ちょっと想像してみてください。

 

例えば三連梯子の訓練。

 

危なくないように、訓練マットを敷きます。

 

もちろん大事な安全管理です。

 

例えば放水訓練。

 

危なくないように、ホースラインは完璧にして圧力も控えめにやります。

 

これもまた大事な安全管理。

 

ケガをしないように、事故にならないように

 

未然に防ぐことが“安全管理”です。

 

何も間違ってはいません。

 

でもこれ、裏を返せば

 

何が危険なのか、わかってないってことですよね?

 

安全管理を重視するあまり、

 

安全すぎる環境の中で訓練をやってはいませんか?

 

つまり、

 

何が危なくて

どうやったら危険なのか

そしてそれがどんな事になってしまうのか

 

というような、イメージができないということです。

 

さらに言うと、

 

危険なことをやる怖さを知らない

 

ということです。

 

やったとこないことをイメージするのも

やったことないことを怖いと思え!っていうのも、

 

やったことないからできる訳ありません。

(この考えは“教える”時にも当てはまりますよ!)

 

僕個人的には、

 

やってみて“怖い”と思ったことって、“次から気をつけよう”って思いませんか?

 

と、考えています。

 

危ないからやらない

 

のではなく

 

こうやったら危ないんだ

 

と思わせることこそ、安全管理の第一歩だと思います。

 

毒をもって毒を制す、じゃないですが、

 

危ないこと、怖さを知ることこそが大事なのではないかと。

 

だからと言って、訓練で率先して危ないことをやれというわけではありません。

 

こうやったら危ないよね、怖いよね、ということを

 

最低限、体験させられれば良いのかなと。

 

例えば先程の三連梯子の訓練

 

いつもは安全マットを敷くと思いますが、

 

マットを敷かずに訓練してみてはどうでしょうか。

 

きっといつもより登るのが慎重になり、梯子の確保も普段よりもしっかりやることでしょう。

 

更には進入の際、いつも以上に緊張し、慎重に進入するはずです。

 

たぶんいつもはすぐに終わる取り扱い訓練も、一味違ったものになるはずです。

 

そして大事なのはフィードバックです。

 

どの場面で危ない、怖いと思ったか。

なぜいつもより慎重になったのか。

いつもとどれくらいタイムラグがあったか。

 

などなど。

 

自分が感じたことを隊で共有することで、お互いの安全管理にも繋がっていきます。

 

安全管理のは主観だけでなく、客観性も必要ですからね。

 

さらに!

 

客観性を身に付けることができれば、訓練や現場全体を見渡すことができるようになります。

 

そうすると、自分だけでなく周りの隊員にも気を配ることができるようになります。

 

これを一人一人の隊員ができるようになると、事故が起きる確率がグーンと減りそうですね(^^)!

 

「普段の訓練とかは分かった気がするよ。けど現場ではどうなの?安全管理ばっかで人助けられるのかよって話じゃないの?」

 

そうなんですよね、これが一番の問題というか矛盾点というか…

 

ちょっと考えてみましょう。

 

 

 

 

【現場での“安全管理”】

 

「安全が確保されるまでは進入するな!自分がケガしたら人は助けられないぞ!」

 

消防士なら一度は聞いたことがあるはずです。

 

め組の大吾でもない限り、火の中に突っ込む消防士はいないと思います。

(ディスってません。僕はあの漫画好きですよ!)

 

木造家屋がまだまだ多い日本では、屋内進入して消火・救助活動をすることは、ほとんどと言って良いくらい、ないと思います。

 

でもどうでしょう。

 

地震に強い家、耐震構造のマンションやビルなど、

 

今や日本の建物も欧米化が進んでいます。

 

それなのにまだ、消火・救助活動は“日本式”の考えのままで良いのでしょうか?

 

危ないから入らない

入らないから安全

安全が確保されないと活動しない

 

これで国民の生命、身体、財産を守れるのでしょうか?

 

たぶん守れません。

 

じゃあ危険の中に飛び込めということかといったら、そうでもありません。

 

リスクを冒して人助けすべきだ!とは、全く思いません。

 

だってケガしたくないし、死にたくもありません。

 

先人たちの言うとおり、自分の身を守らなきゃ人は助けられませんからね(^^)

 

ではどうするのか?

 

さっき訓練のところでも書きましたが、

 

危険を知ること

リスク評価をすること

 

が大事だと思います。

 

これ、言葉では簡単ですが、

 

現場でちゃんとできてますか?

 

危険を知れば、いち早く消火や救助の活動方針を決めることができます。

リスク評価をすれば、活動内容のボーダーラインを引くことができます。

 

活動方針の決定が早まれば、それだけ火災の消火や救出時間の短縮に繋がって、助かる命も増えるはずです。

 

活動内容のボーダーラインを引くことができれば、ここまでは大丈夫、ここからは危険など、

隊員間で“安全管理の共有認識”ができるはずです。

 

そしてこれができるようになる為には、

 

勉強しましょう!

訓練しましょう!

 

勉強の方法はいくらだってあります。

 

僕のブログを見てもらえるのもありがた〜いことですが、

 

試しにYouTube

 

「火災性状」と検索してみてください。

 

【参考】

火災性状 - YouTube

 

めっちゃ勉強になりますよ!

 

しかもタダで見れますから、これを超える勉強はありません!!

 

訓練は先程書いたように、

 

危ないことに気付く訓練をしてみませんか?

 

安全管理バッチリのいつもの訓練ではなく、あえて危険のある訓練を、です。

 

…とまぁ、こんな感じで書いてみましたが、他にもたくさん方法はあるはずです。

 

危険を危険だと知ること

現場で危険を見つけられること

そして本当に危険か判断できること

 

そのためにできること、ちょっとばかり考えてみませんか(^^)?

 

 

 

 

【まとめ】

 

新年一発目、どうでしたか?

 

僕たち消防士の活動の基本である

 

“安全管理”

 

今までも、そしてこれからもずっと大切なことです。

 

誰もケガしたり死んだりしてはいけません。

 

絶対ダメです。

 

だからこそ、安全管理はとても大事なことです。

 

そしてとても大事な安全管理だからこそ、

 

今一度見直してみませんか?

 

思いっきり自論を展開しましたが、

 

安全管理の第一歩は“危険”を知ることだと思います。

 

勉強方法もたくさんあるし、訓練も工夫することができます。

 

今までやってきた安全管理は、本当に安全管理できていますか?

 

新年一発目、みんなで考えるキッカケになればと思います。

 

 

 

今年もまた、こんな感じで書いて行きたいと思います(^^)!

 

改めて、今年もよろしくお願いします(^^)!!

 

 

 

実践・消防の安全管理

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