消防士の教科書

これから消防士を目指す人たちの教科書になるようなことを書いていきます。

札幌市の自立支援施設火災について

お疲れ様です、leoです。

 

1日のニュースは見ましたか?

 

北海道札幌市で起きた自立支援施設の火災について、大きく報道されていましたね。

 

ニュースで得た情報だけかもしれませんが、ちょっと考えてみましょう。

 

 

 

 

【ニュースの情報】

 

きっとみなさんもニュースを見ていると思うので知っているかもしれませんが、改めて情報を書いてみます。

 

1月31日の深夜、木造3階建の自立支援施設から出火し、消防隊の活動も虚しく、入居者16名のうち11名の方が亡くなられました。

 

残る5人の方も病院で手当てを受けているとのことです。

 

入居者の年齢は40代から70代まで、幅広い世代の方が入居していて、その多くは生活保護を受けている高齢者だったようです。

 

また、建物の用途が「下宿」という扱いだったため、一般の共同住宅(いわゆるアパート)と同等の消防用設備しか備えていなかったようです。

 

火災の原因はまだ調査中とのことなので、今後の動向を注視していく必要がありますね。

 

ざっと僕の知る概要を書いてみました。

 

ここから少し考えてみましょう。

 

 

 

 

【この火災について考えてみる】

 

この火災では11名の方が亡くなりました。

 

入居していた方々のほとんどが生活保護受給者だったと報道されており、用途はあくまでも“下宿”という扱いだったようです。

 

しかし実態はほぼ“老人ホーム”だったと思われます。

幅広い年齢層だったとはいえ、そのほとんどが高齢者。

 

本来であれば老人ホームとして扱われ、用途判定で6項ロまたは6項ハとされるべき建物だったのかもしれません。

 

そうなると、スプリンクラーや自火報の設置など、消防用設備の規制が厳しくなり、ここまで被害は大きくならなかったかもしれませんね。

 

しかし今回の施設はあくまでも“生活困窮者のための入居施設”。

 

下宿として扱われ、法の規制を受けなかったようです。

 

建物の管理者サイドも、正規の届出や申請をしていなかったとも言われています。

 

そうなってしまうと、正直なところ実態把握はほぼ不可能だと思います。

 

まして札幌市という大きな街です。

 

対象物は数え切れないくらいあるはずです。

 

使用開始時の届出や検査を行い、しっかりと用途判定したはずの建物が、「蓋を開けたら老人ホームでした!」なんて言われても、消防としてはやりようがないですよね…

 

また、建物は古い旅館を居抜きで使用していたらしく、中廊下という構造だったようです。

 

中廊下とは、廊下を挟んで部屋が並んでいる構造のことで、このため煙や炎の回りが早かったのでは、と考えられています。

北九州市消防局さんが詳しいデータを持っているみたいです。)

 

しかも、中廊下を持つ古い木造建物はまだまだたくさんあるようです。

 

どうやら耐震性にも問題があるようで、建て替えについても問題となっているみたいです。

 

これはもう消防の範疇超えてるので、国とか自治体として対策を考えてもらわないといけないですよね…

 

そしてここまで書いてすみません、予防詳しくないので間違えていたら教えてください(;´д`)

 

 

さて、それではこのような火災が自分たちの街で起きたらどうしますか?

 

次はその辺りを考えてみます。

 

 

 

 

【どうやって防ぎょするか】

 

 僕が見たニュースの映像では、活動を始めた頃はすでに最盛期で、放水もほぼ意味をなしていないような状況でした。

 

木造、3階建て、古い旅館の居抜き、入居者複数名、逃げ遅れ者多数…

 

この情報だけでも予想できることはたくさんありますね。例えば、

 

設備が整っていない

火の回りが早い

居抜きだから改装され、たぶん中は迷路状態

入居者がパニックを起こしている

救出できる人は限られてしまう

 

きっとこの他にもたくさんあると思いますが、現着前に相当危険であることが予想できますよね。

 

屋内進入し検索をかけるにしても、危険すぎる状況です。

 

仮に火災初期の段階で、正確な図面が確保でき、間取りや入居者数の把握ができるのなら、屋内進入する可能性はあるかもしれません。

 

が、進入したにしても問題はたくさんあります。

 

高齢者の逃げ遅れ多数→何人で救出へ向かえば良い?救出の優先順位は?

 

パニックを起こしていることはほぼ間違いない→隊員が巻き込まれてしまうのでは?

 

古い木造建物→建物倒壊のリスクは?

 

などなど。

 

まして深夜の火災です。検索活動は相当困難なものになるでしょう。

 

進入を判断する方も、進入を指示される方も、それぞれが大きなリスクと不安を抱えて活動することになってしまいますよね。

 

僕だったらかなり怖いです。正直入りたくないと思ってしまいます…。

 

とはいえ、火災初期であれば屋内進入は第一選択ですね。人命救出最優先です。

 

しかし僕のみたニュースの映像では、窓から火が噴き出し屋根は抜けているような状況だったので、他への延焼防止と少しでも早く鎮圧へ持っていくのが精一杯だったろうと思います…。

 

これもまた答えの出ないことですね。

 

それぞれの隊に合わせ、考え検討してみて欲しいです。

 

 

 

 

【まとめ】

 

今回の火災では多くの人命が奪われました。

 

決して対岸の火事ではありません。

 

現場経験が少なくなっているからこそ、今回のような事案が発生した時に“考えて”いかなくてはならないと思います。

 

その場その時にどういう対応ができるのか

 

もし自分たちの街で起きたら

 

もし自分たちの隊が最先着だったら

 

考えても考えてもキリがないと思います。

 

以前も書きましたが、答えのない問題こそ、レベルアップに繋がってくるはずです。

 

今回もやっぱりうまくまとまりませんが、少しでも考えるキッカケになればと思います。

 

最後に…

 

火災で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

 

また、火災現場で活動した方々は大変お疲れ様でした。

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました(^^)

 

 

 

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