消防士の教科書

これから消防士を目指す人たちの教科書になるようなことを書いていきます。

屋内進入について

お疲れ様です、leoです。

 

先日、ファイヤーコントロールボックスの燃焼実験をやってきました!

 

初の試みだったのですが、これまたうまくいきました(^^)!

 

別の機会に動画でもアップしたいと思います。

 

引き続き火災性状のテキストも配布してますので、興味のある方は下記のアドレスまでご連絡ください(^^)

 

火災性状のテキスト希望

yamama.leo.1227@gmail.com

 

さて、今回は屋内進入について書いていきます。

 

前回の記事(参考:熱画像直視装置 - 消防士の教科書)にも書きましたが、

 

今と昔は違うのです。

 

では何がどう違うのか。

 

その辺りを改めて再考し直したいとお思います。

 

今回も最後までよろしくお願いします(^^)

 

 

【目次】

 

 

【屋内進入とは】

 

僕たち消防士にとっては、もう聴き慣れた言葉ですね。

 

読んで字の如くですが…

 

屋内進入とは

火災が発生している建物内へ入ること。

主に建物内にいる要救助者を検索する時に進入することが多い。

火点を直接消火するために進入することもあるが、日本ではほとんどない。

基本、ものすごく危ない。

けど、やらないと助からない命があるし、火は消えない。

 

僕なりの考えですが、こんな感じですよね。

 

消防学校では、消火活動の次くらいに習う必須科目です。

 

ではその屋内進入、どんな要領で実施するか、改めておさらいしましょう。

 

 

【屋内進入】

 

消防学校で習ったとおり、いわゆる"操法"を確認しましょう。

 

〜用意するもの〜

  1. 呼吸器
  2. 長ロープ
  3. 投光器一式
  4. 援護注水用ホースライン

 

〜任務分担〜

  1. 進入隊員2名
  2. 確保ロープ保持者1名
  3. 投光器操作1名
  4. 援護注水1名

  合計5名

 

〜要領〜

  1. 進入する部屋の前に集まり、各自の資機材を準備する。
  2. みんなで輪になって合図の確認
  3. 進入隊員2名は安全帯同士をロープで繋ぎ、さらに確保ロープを装着する。
  4. 呼吸器の残圧を確認し、面体着装。
  5. ドアの温度を(手で)確認し、大丈夫だったらドア開放。この時バックドラフトの発生を警戒し、ドアと身体の位置に注意する。
  6. 援護注水を受けながら屋内進入開始。
  7. 要救助者を見つけたら、確保ロープまたは投光器で合図
  8. 徒手搬送(抱え救出)により救出開始、出口まで一目散!

 

文章なので非常にわかりづらいですが…

 

たぶんどこの所属もこんな感じのはずです。

 

学校で習うのもこんな感じですよね。

 

何も疑問を持たなければ、何も問題ない活動です。

 

が、このブログを読んでくれている皆さんなら疑問に思う事が多々あるはず…。

 

そこを掘り下げていきましょう。

 

 

【屋内進入の疑問点】

 

さて、前項で屋内進入の要領を改めて確認しましたが…

 

本当に操法どおりにできるでしょうか?

 

僕なりに疑問に思う点を太字で書いています。

 

順をおって考えてみましょう(^^)

 

①隊の人数

 

僕が今勤務しているのは、いわゆる分署です。

 

なので、消防隊1隊と救急隊1隊のみの配置です。

 

ちなみに、僕の所属の基本編成は以下のとおり。

 水槽付ポンプ車:隊長、機関員、隊員2名

 ポンプ車:隊長、機関員、隊員

 救急車:隊長、機関員、隊員

 

余程規模の大きい所属でなければ、たぶんどこの所属もこんな感じかと…

 

僕の署には水槽付ポンプ車だけが配置されているので、基本4名で活動することになります。

 

つまり、最先着として活動できるのは4名です。

 

ポンプ車隊とペア出動したとしたら7名となります。

 

もちろん、後着隊のことを考えれば話は別ですが…

 

火災は一分一秒を争います。

 

当然ながら、要救助者がいるなら尚更ですよね。

 

後着隊なんか待ってられないです。

 

ということを考えると、明らかに任務分担に支障がでます。

 

さらによく考えてください。

 

隊長は無線で情報のやりとり、機関員は放水に備え車から離れるわけにはいきません。

 

残されたのは隊員2名。

 

ポンプ車隊とペア出動したとしても、隊長&機関員は上記の理由で活動隊員には含めることができないとしたら、

 

多くても隊員3名。

 

どうやったら操法どおりに活動できるでしょうか?

 

②合図の確認?ドアの温度の確認?

 

ドアの前に集まり、みんなで輪になって、肩を叩いて合図の確認…

 

はじめ1回、よし2回、発見3回、脱出4回、緊急脱出連続5回以上!

 

ドアに手の甲を当て、温度を確認。

 

ドアを開ける方向に気をつけて開放!進入!

 

さて、進入までに何分かかったでしょう?

 

前述したとおり、

 

火災は一分一秒を争います。

 

悠長に合図の確認なんかやってる場合ではありません。

 

また、ドアの温度を確認するのに手を当てるとか、熱かったらどうするんですかね?

 

ヤケド覚悟の上で確認するんでしょうか?

 

前のブログに書きましたが、今は熱画像直視装置という素晴らしい資機材があります。(ない所属の方すみません)

 

僕の所属でも、まだまだ残火処理だけに使っているところもあるようですが、

 

熱画像は火災の初期から中期にかけてこそ活躍します。

 

残火処理だけに使うだなんて、本当アホくさ。

 

限られた時間の中で、どれだけスマートに活動できるかを考えなくてはいけませんよね。

 

③確保ロープ

 

みなさんも所属で屋内進入の訓練をやっていると思いますが、

 

確保ロープって意味ありますか?

 

さらに、確保ロープを使って合図を送るとか…

 

確保ロープの素材であるナイロンは、熱に非常に弱い素材です。

 

また、伸び率が高く衝撃吸収に優れていますが、屋内進入で一回でも屈折箇所があると、合図が送れなくなります。

 

さらにいうなら、脱出の時クッソ邪魔です。

 

バディを繋ぐ確保ロープも、脱出する際クッソ邪魔になります。

 

もはや足手まといとしか思えない…。

 

それなのに、まだ確保ロープを必要としますか?

 

④援護注水はすべき?

 

屋内進入の前にやる事と言えば、

 

中性帯の確認

 

も大事なポイントの一つですね。

 

進入前に中性帯を確認し、姿勢を低くして検索を開始するのが基本です。

 

大事なポイントなのでもう一度。

 

中性帯を確認し、姿勢を低くして

 

進入します。

 

さて、ここで援護注水をしたらどうなるでしょうか?

 

援護注水の基本は噴霧注水です。

 

そしてその噴霧注水、水だけでなく空気も送り込みます。

 

字のとおりですね、霧を噴くわけです。

 

…なんとなーくわかってきましたか?

 

せっかく中性帯を確認したのにも関わらず噴霧注水をしてしまうと、中性帯が崩れて視界不良となり、更には天井に溜まっていた高温ガスが自分達のいる床付近まで下がってきてしまいます。

 

つまり、うまい具合に均衡を保っていたものを、自らごちゃ混ぜにするというやり方です。

 

どう考えても、このやり方ちょっと違うんじゃないかって思いませんか?

 

⑤救出方法は?

 

要救助者の救出方法は、基本的にバディと共に抱え救出(2人搬送法)を実施するかと思います。

 

が!

 

前述④で書きましたが、姿勢を低くして進入することが基本です。

 

では退出はどうですか?

 

抱え救出(2人搬送法)って、完全に2人とも立ち上がりますよね?

 

行きは低い姿勢なのに、帰りは立って帰ってくる

 

こんな矛盾ありますかね?

 

 

と、まぁこんな感じで疑問点だらけ…

 

では文句ばかりでなく、実際にはどうやれば良いのでしょうか?

 

次のセクションで考えてみたいと思います!

 

 

【屋内進入を再考する】

 

ここからは僕の持論です。

 

きっとすぐに真似はできないし、上司から理解を得られるものではないでしょう。

 

ですが、ここに書くのは僕が所属の後輩たちと検証したことに基づいています。

 

それを踏まえ、見ていただければと思います(^^)

 

①任務分担

 

ここでは、僕の勤務する署の実情にあわせ、水槽付ポンプ車隊のみの任務分担とします。

 

参考までに…

 

隊長:情報収集、隊員の進入&安全管理

機関員:ポンプ運用

隊員1:ノズル操作&検索

隊員2:環境測定&検索

 

隊員1、2は空気呼吸器を着装し、確保ロープと投光器は不要。

 

次からは手順です。

 

 

②進入前

 

まずは火災の進行具合を判断しなければなりません。

 

いわゆる火災のサイズアップです。

 

そしてその為に必要な資機材として、熱画像直視装置(以下、「熱画像」)を使用します。

 

進入前に必ず熱画像を使用し、屋内進入ができるかどうかの判断をします。

 

ドアの温度を測定するだけでなく、進入する部屋の室温も測定する必要があります。

 

特にフラッシュオーバーに巻き込まれないよう、室内の環境測定は非常に重要です。

 

サイズアップを行い、屋内進入の可否を判断するのは隊長ですが、環境測定を行うのは隊員です。

 

操法でやる、合図の確認や確保ロープの装着は不要。

 

今のところ必要な資機材は、空気呼吸器、ホースライン、熱画像のみ。

 

必要な人数は、隊長含め3人です。

 

 

③進入

 

進入にあたり、熱画像でドアの温度を測定し、バックドラフトを警戒しながら少しだけ開放します。

 

ここで間違っても全開にはしないでください。

 

室内の燃焼状況にもよりますが、ドアを開けることで空気が流入し、

 

バックドラフトの発生火災の進行を助長

 

する可能性があります。

 

まずは極力ドアを開けずに、熱画像を使い、室内の環境測定を行います。

(いわゆる"ドアコン"ってやつです。これはまたベンチレーションについて書く時に。)

 

室温が進入できる温度であることを確認するのとあわせ、中性帯が形成されているかを確認しましょう。

 

もし中性帯があれば、要救助者がすぐに見つかるかもしれません。

 

さぁ、いざ進入!なのですが、

 

この時、放水は厳禁です。

 

中性帯が崩れるだけでなく、天井付近に滞留した高温ガスが床付近まで降りてきてしまいます。

 

屋内進入時の不用意な放水は、要救助者が助かる可能性を奪うだけでなく、自分達の身を危険に晒すことにもなります。

 

だから放水は厳禁。

 

そして併せて使うのが、熱画像。

 

自分達の目で見るのも大事ですが、

 

第三の目として熱画像を使うのことも超重要。

 

火災現場という極限状態の環境下では、ガッツリ頼るべき資機材です。

 

しっかり活用しましょう。

 

あと、これも超持論なのですが…

 

検索の時の「誰かいるかー?」は全く無駄ではないかと。

 

そもそも呼吸器を着装した状態では、声では意思疎通が難しいくらいにしか聞こえません。

 

それなのに要救助者に声は届くのでしょうか?

 

さらに言えば、少しでも活動時間を長くしたいのにわざわざ空気を消費しまくるようなことをやる必要はありますか?

 

確かに声かけのチカラは未知数です。

 

事実、声かけにより助かった命も多くあります。

 

僕もその重要性は認識していますが…

 

火事現場、まして一刻を争う現場で必要でしょうか?

 

いかに早く見つけ、いかに早く救出するかこそ大事なのでは…?

 

と思います。(僕は)

 

長くなりました(^^;)

 

進入時のポイントをまとめると

 

  1. 2人で進入
  2. ドアコン超重要
  3. 不用意な放水は厳禁
  4. 熱画像忘れずに
  5. 検索はスピーディーかつ効率的に

 

こんな感じです。

 

もう一つ、基本ですが大事なことを付け加えると、

 

低い姿勢で行動すること

 

です。これは絶対ですよ!

 

さぁ、長くなりましたがいよいよ退出です。

 

 

④退出

 

要救助者を発見しました。

 

1人はノズルを持っているので、もう1人の隊員が要救助者を搬送することになります。

 

その搬送方法もよく考えなければなりません。

 

1人で、低い姿勢で、要救助者の頭を保護しつつ、搬送することになります。

 

どうやったら搬送できるでしょうか?

 

答えはありません。

 

みなさんの所属でやってみてください(^^)

 

きっと色んな方法が出てきますよ!

 

そしてノズル操作を担当する隊員ですが、

 

水がパンパンに入ったホースを持って退出できるでしょうか?

 

例えば、50mmホースにクワドラノズル装着、規定圧の0.7Mpaで送水してもらいます。

 

どうでしょうかね?

 

きっとものすごく大変な思いをするかと。

 

水が入ったホースラインは、

 

行きは良い良い 帰りは怖いです。

 

さてさて、どうやって退出しましょうか?

 

これもまた実際にやってみて検討してみてください。

 

いろいろ考えて試してやってみて、みなさんの隊でうまくいったものが正解です(^^)!

 

また、確保ロープがありませんが、

 

その代わりにホースラインが進入口まで続いています。

 

つまり、ホースがエスケープラインになるということです。

 

だから合図の確認も、確保ロープも、隊員間のロープも不要って訳です。

 

どうです?

 

これ、進入隊員2人で完結できそうじゃないですか(^^)?

 

 

 

 

【まとめ】

 

今回は屋内進入について、改めて考えてみました。

 

僕たちが消防学校で学んだことは、決して間違ってはいません。

 

ですが、その学んだことを現場の実情に落とし込み、それができるのかできないのか、試しにやって検証しなければ意味がありません。

 

技術の伝承とか言われてますが、

 

何も考えずに伝承されても無意味だし、困るだけです。

 

考えましょう。

 

試してみましょう。

 

そして考えをアップデートしましょう。

 

今までどおりは通用しません。

 

こんなこと?って思うことから、まずは考えて試してやってみませんか?

 

今回も長くなりましたが、最後までありがとうございました(^^)!

 

 

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「火災性状のテキスト希望」と書いてください。

yamama.leo.1227@gmail.com

 

 

 

 

熱画像直視装置

お疲れ様です、leoです。

 

どんどん寒くなってきてますね。

 

もう朝晩は本当寒くて、ウチのワンコの散歩がキツくなってきました…(-_-;)

 

みなさん、体調管理には気を付けましょう!

 

さて、今回は熱画像直視装置について書いていきます。

 

火災防御に非常に役立つ資機材です。

 

改めて勉強しましょう(^^)!

 

 

 

【目次】

 

 

【熱画像直視装置とは】

 

皆さんの所属には、どんなメーカーの熱画像直視装置が配置されているでしょうか?

 

僕の所属には、FLIRというメーカーのK55という機種が配備されています。

 

[参考]

フリアーシステムズ | サーマルイメージング、ナイトビジョン、赤外線カメラ | FLIR Systems

 

この他にも呼吸器で有名なDräger社からも出ていたり、様々なメーカーが作っています。

 

ではその熱画像直視装置とは、いったいどんな資機材なのでしょうか?

 

Google先生に聞いてみましょう!

 

…が、出てこなかったので、僕の言葉で簡単に説明します。

 

熱画像直視装置

いわゆる"サーモカメラ"のこと。

物体が放出する赤外線を温度として検知して、それを画像にして可視化する装置。

赤外線カメラとかサーモグラフィーとか言えばピンとくるはず。

 

暗闇の中で使う暗視装置なんかも、これと同じ仕組みのようです。

 

火災現場では炎が上がり、たくさんの赤外線が放出されています。

 

そこでこの熱画像直視装置を使うことで、部屋の温度を測定したり、要救助者の検索、戦術や隊活動の方針を決める手助けなどをするわけです。

 

当然のことですが、人の五感では赤外線は感知できませんし、燃えているものの温度はわかりません。

 

熱画像直視装置は、赤外線を感知することで物体の温度や空間の温度を測定することができる、非常に便利な資機材なのです。

 

ではこの熱画像直視装置、どんな場面でつかえるでしょうか?

 

ちょっと考えてみましょう。

 

 

 

【使用する場面】

 

先述したとおり

 

熱画像直視装置(以下、「熱画像」とします。)は、赤外線を感知して熱を視覚化してくれる資機材です。

 

まさに消防士必須装備って感じですよね。

 

ではどんな場面で使用するのか。

 

それではまず火災現場を想像してみましょう…

 

 

①現着時

 

いきなり!?と思いましたか?

 

そう、いきなりです。

 

消防士は消火活動して終わりではありません。

 

鎮火後の原因調査も行います。

 

原因調査で重要なのが、出火元を見つけることです。

 

建物の焼け状況を見て、辿り、調査を進めるわけですが、

 

ここで熱画像が使えます。

 

現着時、漠然と炎に対峙するのではなく、

 

熱画像を使って温度が高い場所を探してみてください。

 

なんでかと言うと、

 

出火元=熱源=熱い!からです。

 

単純かもしれませんが、火災初期から中期であれば、火元となる場所を予測する一つの手段となるはずです。

 

建物の焼け具合や先輩達の経験に基づいて出火元を探ることこそ何よりですが、

 

新たに数値としての予測を持たせても良いのでは?と思います。

 

 

②屋内進入

 

僕らは消防学校で屋内進入の要領を学びます。

 

そして所属でも、部隊の連携訓練と言えば屋内進入と言ってもいいくらいやりますよね。

 

でもその屋内進入の方法、

 

今の資機材や今の家屋の状況にあわせて、ちゃんとアップデートしてますか?

 

今回は熱画像の内容なので書きませんが、屋内進入については、また近いうちに更新しますね(^^)

 

ということで!

 

屋内進入する際、セオリーではドアの温度を確認するかと思います。

 

その方法はと言えば、

 

防火手袋越しにドアを触って

 

ですよね。

 

しかも、ヤケドして物を握れなくなると困るから必ず手の甲側で、とか。

 

ツッコミどころ満載な気が…(・ω・)

 

ここで単純なことを聞きます。

 

触ってドアの温度わかりますか?しかも防火手袋越しに?ヤケドするかもしれないのに?

 

当たり前に教わったことですが、

 

そんな曖昧な基準や判断で自分の命をかけられますかね?

 

僕は…やっぱ嫌だなぁと思ってしまいます。

 

そこで活躍するのが、熱画像

 

熱画像さえあれば、ドアの温度は一目で数値化されます。

 

わざわざ触ることなく、ヤケドのリスクを負わずに、しかも温度が数値化されて…本当便利な資機材です!

 

 

③環境測定

 

屋内進入の際に使うと前述しましたが、これもまた同じように、

 

火災室の室温を測る環境測定に使用することができます。

 

具体的に言うと…

 

みなさんはフラッシュオーバーの発生する可能性がある温度を知っていますか?

 

正確な温度は定義されていませんが、

 

おおよそ500℃〜800℃と言われています。

 

そしてフラッシュオーバーに巻き込まれた場合、完全装備をしていたとしても確実に負傷し、最悪の場合死に至ります。

 

フラッシュオーバーを未然に防ぐ放水方法もあります。

 

が!その前に!

 

火災室の温度を測定してから、進入可能かを判断すべきであり、その為に熱画像を使用すべきだと思います。

 

熱画像を使って火災室の環境測定を行う。

 

これ、自分の身を守る為に必要不可欠ですよね?

 

 

④人命検索

 

火災室は濃煙で満たされていることでしょう。

 

室内を視認で確認できるような環境ではないはずです。

 

そこで活躍するのが、熱画像。

 

前述のとおり、熱画像は赤外線を検知してそれを視覚化してくれます。

 

それが例え濃煙の中であっても、人から放出される赤外線をキャッチしてくれます。

 

ちなみにFLIRの場合ですが、濃煙で全く先が見えない状況でも、熱画像だと人の形が白く映ります。

 

濃煙の中、全く先が見えないのに、目視で「誰かいるかー!?」なんて叫び続けて空気を消費するより、熱画像を使って効率よく人命検索をすべきではないでしょうか?

 

 

 

と、こんな感じで使う場所により活躍してくれます!

 

つまり熱画像は、消防士の第三の目として活躍してくれる優れモノということです。

 

これ、あるのに使わない手はないですよね!

 

ただ、やっぱりデメリットはあります。

 

それは何でしょうか…?

 

 

 

【デメリット】

 

前項までに挙げたように、熱画像はとっても便利な資機材ということがわかったと思います。

 

が、1つ弱点があります。

 

それは、

 

遮へいされると映らない

 

ということ。

 

試しにFLIRでやってみましたが、ティッシュペーパー1枚でも間に入った場合、ティッシュで遮へいされました。

 

調べてみたところ、赤外線は反射する能力が高く、透過する能力は低いため、ティッシュ1枚でも赤外線が透過せず、ティッシュで遮へいされたということかと思われます。

(すみません、詳しくは自分で調べてみてください…汗)

 

このことから、人命検索の際には十分気を付けなければなりません。

 

もちろんのことながら、建物の外から内部の環境測定はできないため、必ず開口部を作り、そこから環境測定しなければなりません。

 

人命検索の際、要救助者が家具などの下にいる場合は検知することができません。

 

つまり、何かしらの遮へい物があると人を見つけることが困難になるということです。

 

僕たち消防士の第三の目になってくれる優れモノですが、それに頼りっぱなしではいけないわけですね。

 

自分達の目で確認し、それを補うために熱画像を使う。

 

「まずは自分で」というのは、どんな資機材であっても共通することです。

 

この基本を忘れなければ、熱画像の特性を十分に生かすことができるのではないかと思います(^^)

 

 

 

【まとめ】

 

今回は熱画像直視装置について書いてみました。

 

この記事を読んでくれた方は気づいたはずです。

 

もう残火処理だけでは使わないって。

 

熱画像は自分達の身を守るための素晴らしい資機材です。

 

その使い方、用途、特性をよく理解して、火災防ぎょに役立てなければ

 

ただの宝の持ち腐れです。

 

火災初期から屋内進入まで、様々な場面で活躍します。

 

この記事を読んだ後は、ぜひキャビン内に熱画像を配置して、無線と一緒に現場へ持っていってください!

 

今回も最後までありがとうございました(^^)

 

次回は屋内進入について書きます!

 

 

 

 

◎火災性状のテキスト配布中◎

 

自主勉強会で独自に作成したものです。

 

以下のメールアドレスにご連絡いただければ、折り返しPDFデータをお送りします!

 

yamama.leo.1227@gmail.com

 

欲しい方は気軽に連絡してみてくださいね(^^)

 

 

 

 

 

火災性状のテキスト

お疲れ様です、leoです。

 

すっかり涼しくなりました。

 

そして、すっかりブログ書くのサボってました…

 

皆さんの所属は台風の被害は大丈夫でしたでしょうか?

 

僕の所属は大きな被害はありませんでしたが、連日ブルーシート張りの作業があるような状況でした。

 

今もまだ多くの場所で被害が出ていて、かつまだ予断を許さないような状況です。

 

僕たち消防は備えることも大事ですが、起きてしまった後にボランティアという形でも支援することは可能です。

 

僕も何度か行きましたが、お金にもならず出世にも関係ありません。

 

でも「人の為に」と思えるのであれば、ぜひボランティアに参加してみてください!

 

参加の方法は、各自治体の社会福祉協議会のHPから調べてみてくださいね(^^)

 

 

 

さて、今回はちょっとしたお知らせです。

 

以前ブログ内で、自主勉強会なるものを立ち上げたと報告しましたが、

 

勉強会で使う資料として"火災性状"のテキストを作成しました。

 

みなさんご存知の消防業務エッセンシャルズを参考に、さらにわかりやすく画像を多用して再編してみました。

 

参考

 

消防業務エッセンシャルズ

消防業務エッセンシャルズ

 

 

新任者教育だけでなく署内教養にも使える内容としたつもりです。

 

実際配ってみたところ、上々の評価でした。

 

ということで!

 

もし興味があるようでしたら、そのデータをお譲りしようと思います。

 

できればこのブログに掲載したいのですが、

 

諸般の事情により掲載できません。(察していただければと…)

 

データ容量の関係でPDFに変換したものになるので編集はできませんが、欲しいと言う方は下記のメールアドレスまでご連絡ください(^^)!

 

yamama.leo.1227@gmail.com

 

上記アドレスに「テキスト希望」とメールお送りいただければ、確認後メールでデータをお送りさせていただきます!

 

もちろん無料でお譲りしますが、先程も書いたように諸般の事情があるので、使用に関しては個人または各所属内だけにしていただければと思います。

 

その点のみご理解ください!

 

 

 

ということで、今回はお知らせだけでした!

 

今月末にファイアーコントロールボックスの燃焼実験やってきます。

 

これも動画をアップできるようであれば、このブログでも共有したいと思います(^^)

 

それではまた。

 

くれぐれも事故のないように活動しましょう!

オススメの本

お疲れ様です、leoです。

 

昨日の大雨は大丈夫でしたか?

 

場所によっては大変だったようです。

 

今年も全国各地で大雨が降りそうですね。

 

暑熱対策もですが、豪雨に対する準備も進めて行きましょう!

 

さて、今回はぜひ皆さんにオススメしたい本があるので紹介させていただきます!

 

ではさっそく…

 

イラストでまなぶ!  戦闘外傷救護 -COMBAT FIRST AID-増補改訂版

イラストでまなぶ! 戦闘外傷救護 -COMBAT FIRST AID-増補改訂版

 

 

うわ、アニメ系かよ…

 

と侮ることなかれ。

 

内容はめちゃくちゃ専門知識満載です。

 

これから迎えるラグビーワールドカップや、いよいよ来年に迫った東京オリンピックパラリンピックでは

 

国を挙げてテロへの対策が強化されているところです。

 

僕たち消防士も、CBRNeへの対策訓練を行っているところではありますが、

 

テロなどによる外傷患者への対応方法はまだまだな部分が多いはずです。

 

この本では、そのまだまだな部分を具体的に示してくれています。

 

例えば…

爆弾による爆傷

銃撃による銃傷

刃物による無差別的な刺傷

など、

 

そのメカニズムや対応方法などを、かなり細かく解説しています。

 

表紙からは想像できないくらいマニアックです。笑

 

個人的な意見ですが、JPTECの教科書をはるかに上回る実践的な内容です。

 

もし興味があれば、ぜひ一読を。

 

価値ある一冊になるはずです(^^)!

 

 

イラストでまなぶ!  戦闘外傷救護 -COMBAT FIRST AID-増補改訂版

イラストでまなぶ! 戦闘外傷救護 -COMBAT FIRST AID-増補改訂版

 

 

 

PTSDについて

お疲れ様です、leoです。

 

ここ数ヶ月の間で、凄惨な事故が立て続けに起こっています。

 

池袋暴走 事故車のアクセルとブレーキに異常なし 踏み間違えか - 毎日新聞

 

多重事故で男性2人死亡=送迎バスの園児も搬送-熊本:時事ドットコム

 

自衛隊員救護も命救えず 千葉・木更津の小3女児死傷事故 - 産経ニュース

 

大津事故 2歳男女2人が死亡、9人が骨折など重傷 - 産経ニュース

 

(それぞれニュースサイトにリンクします。ご注意ください。)

 

連日どこかで必ず交通事故が起きていますが、最近は悲惨な事故が多いように感じます。

 

そして交通事故が起きているということは、どこかの消防士が現場活動しているわけです。

 

上のリンクで挙げた事故は、多くが子ども達が巻き込まれた事故です。

 

同い年くらいの子どもがいる人からすると、とても想像しがたいことかと思います。

 

そして、そんな現場で活動したことがきっかけで心に相当のストレスを抱えてしまい、心身に影響が出る…

 

そんな状況を防ぐために、今回はPTSDについて書いていきます。

 

今だからこそ、改めて考えてみましょう。 

 

 

【目次】

 

 

PTSDとは】

 

もう皆さん知っていることかと思いますが…

 

改めて用語の意味を調べてみましょう。

 

PTSDとは

心的外傷後ストレス障害のこと。

命に関わるような強烈なショック体験や、事故や犯罪などに巻き込まれたことによる強い精神的ストレスが心のダメージとなり、時間が経ってからも、その経験に対して強い恐怖を感じたり、心身に影響が出たりする。

誰でもなりうる心の病気である。

 

いわゆる“トラウマ”と呼ばれるものですね。

 

消防の世界では“惨事ストレス”と言った方がわかるかもしれませんね。

 

そして僕たち消防士にとって、とても身近な障害です。

 

僕たち消防士は、普通の人が「一生に一度関わるか、関わらないか」ぐらいの災害現場が日常の中に存在する職業です。

 

そして、普通の人が目を背けたくなるような現場でも第一線で活動しなくてはなりません。

 

言うならば、

 

いつPTSDになってもおかしくない

 

環境にいる訳です。

 

ではそのPTSD、どんな症状があるのか、ちょっとしらべてみましょう。

 

 

 

 

PTSDの症状】

 

僕もにわか知識なのですが、調べてみると以下のような症状があるようです。

 

  1. ツラい記憶がフラッシュバックする
  2. 不眠症になる
  3. 感情が麻痺する
  4. 原因に似た状況を避ける

 

など…。

 

まだ他にもあるかもしれませんが、いずれの症状も

 

自覚症状がなかったり、人に相談しづらいものであったりします。

 

僕も今思えばですが…

 

消防士になりたての頃、列車に轢かれて脚の轢断現場に出動した夜はご飯食べれませんでした。

 

しばらくの間は肉見ると思い出したりしてましたね。

 

これも軽いPTSDだったのかもしれません。

 

きっとこのブログを読んでくれている人の中にも、

 

「あれ、もしかしたら…」

 

という人もいるかもしれません。

 

自覚症状が出にくい分、苦しんでいる人も多いようです。

 

では、もし先に書いたような症状に心当たりがある場合、どうすれば良いのでしょうか?

 

 

 

 

PTSDの治療】

 

PTSD“心の病気”です。

 

その治療には、以下のとおり2つの代表的な方法があるそうです。

 

心理療法

    原因となった状況をあえて思い出し、危険ではない、怖くはないと実際に体験させる方法など。治療法を熟知した医療関係者とやることが重要。 

 

薬物療法

    抗うつ剤気分安定薬など、薬による治療。

 

いずれにしても、自分一人では治療できません。

 

少しでも不安に思うようなことがあれば、地域の保健所や精神保健福祉センターの相談窓口に相談すると良いかと思います。

 

また、より具体的に治療が必要だと思ったら、専門の医療機関を受診しましょう。

 

 

 

 

PTSDを防ぐために】

 

ここまでPTSDについて書いてきましたが、何よりもPTSDにならないようにすることも重要です。

 

ツラい現場でしたツラい経験は、1人で乗り越えるものではありません。

 

隊として活動したのですから、隊として乗り越え、PTSDを予防しましょう!!

 

では僕たちができることは何でしょうか?

 

それは気づいてあげることです。

 

本人に自覚症状が出にくいからこそ、周りの人たちが“気づいてあげる”こと。

 

いつもと何か違うな

テンションの上がり下がりがスゴいな

なんか暗いな、元気ないな

 

こんな感じで、気づいてあげることがPTSDを予防する第一歩です。

 

そして、もし気づくことができたのなら、

 

話を聞いてあげましょう。

 

これもものすごく重要です。

 

消防士という職業柄からか、悲惨な現場やツラい現場だったとしても、それを誰かに話すことをしなかったりします。

 

だからこそ気づいてあげて、話を聞いてあげましょう。

 

なんかあった?

元気ないな、どうしたの?

もし話せるなら話してごらん。なんでも聞くよ。

 

タバコ吸いながらでも、ふいの休憩時間にでも良いと思います。

 

話を聞き、分かち合うことが大切です。

 

さっきも書きましたが、

 

同じ現場に同じ隊として出動したのですから、ツラい現場や悲惨な現場での経験を、みんなで分かち合ってPTSDを予防しましょう!!

 

 

 

 

【まとめ】

 

今回はPTSDについて書きました。

 

消防士という特殊な仕事で、本当にいつPTSDになってもおかしくない環境にいるわけです。

 

心が弱いから、根性がないからではありません。

 

いつ、誰がなってもおかしくはない“心の病気”です。 

 

そのことをしっかりと理解し、PTSDにならないよう、みんなでサポートしあいたいですね。

 

最後にリンクを貼ります。

 

お時間あれば見てみてください(^^)

 

https://www.google.co.jp/amp/s/www.buzzfeed.com/amphtml/kellyoakes/ptsd-job-is-related-mental-health

PTSDについて書いてあるコラムです。)

 

今回も最後までありがとうございました(^^)!

 

 

 

 

PTSDとトラウマのすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

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消防士を救え!―災害救援者のための惨事ストレス対策講座

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大津市の交通事故について

お疲れ様です&お久しぶりです、leoです。

 

だいぶ久しぶりの更新となりました。

 

家庭の事情やら仕事の事情やらで、なかなかブログを書くことができず…(ちょっと面倒くさくなってただけです。)

 

そして久しぶりの更新となりますが、悲しいニュースの内容です。

 

滋賀県大津市で起きた事故についての記事です。

 

大津園児死亡事故、トリアージの厳しい現場 助かる可能性低い黒タグ「悔しい判断」(京都新聞) - Yahoo!ニュース

Yahoo!ニュースへリンクします。)

 

悲しいことに、まだ幼い命が奪われてしまいました。

 

僕自身も2歳の息子がいるので、どこか重なる部分があって…心が痛いです。

 

そして今回の事故の現場には、大津市消防局と湖南広域消防局の方達が駆けつけて対応していました。

 

きっと僕と同じように、同じくらいのお子さんがいる隊員の方もいたことでしょう。

 

とてもツラい現場だったに違いありません。

 

できることなら全員助けたい。

 

きっと誰もがそう思うでしょう。

 

けれどトリアージしなければならない状況で、僕たちは記事のような判断をできるでしょうか。

 

非情と思われるかもしれませんが、多数の傷病者がいる場合には“選別”することが、多くの命を救う為に必要となります。

 

僕は…正直できるかわかりません。

 

まして幼い子ども達だとしたら…

 

相当、心に負荷がかかることです。

 

この現場で「黒タッグ」を付けたことは、本当に勇気のいる判断だったと思います。

 

亡くなった園児のご家族や保育士さんの心のケアはもちろんですが、

 

今回の事故の現場で活動した消防士や医師の皆さんの心のケアもとても大切です。

 

その為にも、僕たちはPTSDのことをよく理解し、その対応も考慮しなければなりません。

 

次回はそのPTSDについて書いていきます。

 

消防士は現場活動だけではありません。

 

その後も、心のケアをすることが大事なことです。

 

少し短い内容ですが、考えるキッカケになればと思います。

 

お付き合いありがとうございました。

 

 

八王子の火災

お疲れ様です、leoです。

 

また、事故が起きてしまいました。

 

住宅火災 消防士含む2人死亡 東京・八王子 - FNN.jpプライムオンライン

 

このような事故が起きないように、僕たちには何ができるでしょうか…?

 

考えましょう。

 

僕も一生懸命考えます。

 

自分がケガをしたり死なないようにするだけではなく、仲間や後輩を守るためにも。

 

大切な家族を悲しませないためにも。

 

カッコつけや大げさなことではありません。

 

当たり前のことです。

 

どうかこのような事故が繰り返し起きませんように。

 

考えましょう。

 

今から。

 

ここから。